よく選挙などで、「支持基盤」という言葉を聞くことがあります。
自らの党員以外に多額の献金と多数の得票を
いただいている支持団体や業界団体のことですね。
自民党なら、日本経済団体連合会(経団連)
民主党なら、日本労働組合総連合会(連合)
といった感じでしょうか。
この支持基盤は、
例えばアーティストなら「ファンクラブ」です。
アイドルグループのAKBやジャニーズのファンクラブは熱烈な
ファンがたくさんいますが、ファンクラブに入っていないとコンサート
チケットが手に入らないのだそうです。
そして、私たち民間企業で考えると支持基盤は、
私たちの会社を支持してくださる好意を持ってくれているような
ファンが集まる「コミュニティ」になるのではないでしょうか。
なぜか、このコミュニティづくりに無関心な経営者が多いです。
不思議です。
非常にもったいない・・・。
例えば新商品やサービスを出す前の「テスト」は、
こうしたコミュニティのメンバーに声を掛ければ
すぐに集まってくれます。
しかも、
自分が関わったという当事者意識が、
身内感や関係性をさらに強めてロイヤルティーが上がります。
なによりユーザーになってくださる可能性も高いし、
想い入れが強い分、友人にクチコミをしてくれる
可能性も非常に高くなる訳です。
しかも、
私たちの会社のファンになる感性の持ち主の友人であれば、
同じようにファンになってくれる可能性が高いことは言うまでもありません。
友達の輪を拡げていくようなイベント開催だってできる訳です。
コミュニティと聴くと法人営業の場合は難しいと
感じるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。
たとえば、自社の商品やサービスを使った成功事例の紹介など、
ノウハウ公開型の勉強会を開いて参加者同士をつなげるところから
始めていけばいいのです。
フェイスブックなどのソーシャルメディアでグループを作って、
フォローしていく仕組みだって、いまでは無料で簡単に作れます。
リアルに会うのが難しいなら、メールマガジンや会報誌(ニュースレター)で、
常に情報発信しているだけでも、会社とお客さまとの絆を大切にできます。
特に法人営業の場合は、お客さまの会社の何名もの人と名刺交換しても、
ふだんのメールや電話のやりとりは担当者だけということが多いと思います。
それでは、お客さまの会社の人たちとのつながりが、あまりにも細い!
細すぎるのです。
お客さまとの関係性が薄いと担当者が急に異動になったり、
転職や退職した際に、いきなり契約解除になることだってあります。
過去、私はありました・・・。
新しい担当者は、自分のやりたいようにやりたい方が多いので、
自分のつきあいのある会社や自分が見つけてきた新しい会社と
付き合いたくなるのが常なのです。
だからこそ、複数人と付き合わないといけないし、
点と点の細い関係性ではなく、面と面、組織と組織で付き合う必要があります。
情報発信は担当者だけでなく、ご縁のあった方にすべて行うこと。
セミナーや勉強会などのコミュニティ向けのイベントを
開催するなら、複数人で参加してもらうような働きかけをすること。
その際に、こちらも担当者だけでなく経営者も
必ず同席するなどして、関係性を深めるようにします。
参加者同士とつなげてあげてコミュニティとしての質と価値を上げていきます。
ゆくゆくは、コミュニティの中に世話好きな方がいて、
その方が社員の代わりに幹事のような働きをしてくれることもあります。
そこまでコミュニティが育ってくると、
今度は、コミュニティが勝手に成長していきます。
もちろん、コミュニティ内での人の入れ替わりは都度ありますが、
これはもう仕方のないことです。
経営判断として、新しい商品やサービスを検討している時に、
親身になって意見を言ってくれる、時には耳の痛いフィードバックも
くれるコミュニティの存在というは非常に貴重でありがたいものです。
ぜひ、支持基盤(コミュニティ)づくりにチャレンジしてくださいね。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。