仕事柄、いろんな業界のいろんな立場の方とお会いします。
1年間で、数千人の方に会っていると思います。
いろんな方と接する中で思うことは、
「チャンスを活かす」というより、むしろ、
チャンスが見えてない方がほとんどだということです。
見えていないとは、
チャンスが本人の気が付かない間に通り過ぎているということです。
当たり前ですが、「チャンス」は目に見えません。
目に見えないから、どこでどういうタイミングで
チャンスが巡っているのか分からないのです。
たとえば、あなたにAさんとBさんという部下が2人いるとします。
2人とも同期入社で同い年、能力も大差ありません。しかし、
Aさんは、事務的なミスが少なく、身だしなみも清潔、言葉づかいも丁寧。
Bさんは、事務的なミスが多く、シワシワのワイシャツで、言葉遣いも粗野。
もし、新しい社内プロジェクトがスタートする際に、
適任者を探す必要があるとしたら、あなたなら、
AさんとBさん、どちらに仕事を任せますか?
答えは言わずもがな、Aさんですね。
これは、まだ社内だから、Bさんも
自分は頼まれなかったと分かりやすいですね。
でも、実際は、お客さまから見ても同じことが起きています。
一番、顕著な例はクチコミによる「紹介」です。
お客さまが、誰かに紹介したいと思った際に、
何を重要視するかといえば、仕事の能力はもちろんですが、
それ以上に「相手に失礼がないかどうか」です。
人物として、紹介に足る人なのかどうかです。
「この人を紹介するのは、ちょっと怖いな」と
思われた時点で、絶対に紹介は起きません。
紹介して、コミュニケーション上のトラブルが起きたら、
今度は、紹介元が不信の目で見られるからです。
当然ですよね。
もっといえば、この人を紹介すると、
「自分の株が上がる」と思えば、どんどん紹介されます。
仕事の能力以上に、
事務的なミスが少なく、身だしなみも清潔、言葉づかいも丁寧であること。
礼節や義徳を守る人物かどうかが見られているのです。
信頼に足る人物かどうかが見られているのです。
そこが、出来ていないのにお客さまのところにいって、
「紹介してください!」と言っている元気ハツラツな人がいます。
元気がいいのはいいのですが、その前に、自分自身を見直すべきです。
信頼をなくす人は、大きな失敗ではありません。
日常のささいなことで失うのです。
例えば、メールの返事がないとか、
ご馳走してもいつもお礼がないとか、期日を守らないとかです。
そして、これらをお客さまは、わざわざ注意しません。
静かに「その程度」の人物だと思っているだけです。
だから、本人も気が付きません。
本当はチャンスはたくさんあるはずなのに、
本人に知らない間に違う人にチャンスが行っているだけです。
無自覚だから、怖いのです。
前述のAさん、Bさんに戻れば、
Bさんは、いつまでたっても同期のAさんを超えられません。
能力を高める前に、身に付けるべきものがあります。
チャンスを受け取れる自分になるかどうかで、世界は一変します。