営業や人材育成のコンサルティングに入る前には、
先方の担当者さんだけでなく、経営者、現場の社員さん、
事務員さんにもヒアリングを実施します。
もちろん、それぞれの職種や階層でお伺いする内容は、
変わってくるのですが、私がいちばん大切にしている観点があります。
それは、質問に対する回答が早いとか明確とか、
ましてや、業務スキルや知識や経験は一切関係のないことです。
態度表情や雰囲気といった、
コミュニケーションスキルが高いかどうかも関係ありません。
(むろん、最低限のマナー、身だしなみは見ます)
それでは、いったい、何を一番大切な
観点としているかかといえば
「言葉づかい」
です。
さらに、ここで言う「言葉づかい」とは、
敬語とか謙譲語とか、尊敬語とか、
そういう日本語能力のことではありません。
言葉による「責任の所在」のことです
責任の所在とは、たとえば、
「業績が伸び悩む原因は、何だと思いますか?」とお伺いした時に、
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日本の景気のせい、政治のせい、環境のせい、
業界のせい、慣習のせい、ビジネスモデルのせい、
会社の上司や部下のせい、などなど
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自分以外の何かのせいにしている言葉が中心なのか?
それとも、
覚悟をもって自分ごととして、
自分の責任として受け止めているかどうか?
ここです。
自分の責任として認識して反省し、
次の一手をどうしようか考えているかが大事です。
その意識の持ち様、覚悟をヒアリングで見極めます。
相手の考え方、覚悟の有無によって、
その後の打ち手や成果が出るまでにかかる時間が変わるからです。
本人でさえ、気が付かないような細かな言葉じりに、
そうしたニュアンスがにじみ出ます。
アンテナのするどい方は、そうした小さな感覚を肌感覚でキャッチします。
人によっては、その感覚で相手の覚悟を見抜き
仕事を頼む頼まないを決定することでしょう。
ですから、言葉による責任の所在は非常に重要です。
自分の使う言葉は、他責なのか自責なのか、
責任の所在により、本人すら気がつかない間に、
実は舞い込むチャンスが変わるのです。
言葉が人生をつくります。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。