接客でファンを作る

接客でファンを作る

先日、夜の9時位に携帯電話に着信がありました。
見ると、見慣れない電話番号。

誰だろうと思って電話に出てみると、
「加藤さん、●●の手塚です」とのこと。
私がよくスーツを買うお店の店員さんでした。
突然の電話に驚いて伺いました。

「手塚さん、こんな時間にどうしたんですか?」

「加藤さん、遅くにすみません。
実は急きょ転勤することが決まって、
水戸支店に行くことになったんです。
それで、挨拶と思って電話しました」

「えー、それは残念ですね。
ご栄転だと思いますが、
会えなくなって寂しいですね」

「はい、そうなんです。
お手伝いできなくなってしまい申し訳ありません。
かっくん(うちの息子)にも会えなくなって寂しいです」

「そうですね。新天地ても活躍してくださいね!」

そう言って、電話を置きました。
ショップ店員さんは、急な転勤があるんですね。

人の異動も激しい業界ですから、
仕方ないのかも知れません。

私は、手塚さんに約2年ほど担当いただきましたが、
接客のお手本と言ってもいいほど、すばらしい接客でした。

年齢は私の7歳ほど年上でしょうか、
男性ですが物腰が非常に柔らかく、
混んでいても嫌な顔ひとつしないで、
丁寧に自然体で対応してくれました。

スーツのデザインや生地が気に入ってこの店から買うというよりも、

手塚さんからスーツが買いたい、
手塚さんと話しながら洋服を選びたい

と思っていたからこそリピートして買い続けていたのです。

違うショッピングモールに同じチェーン店のお店があっても、
店内に入って品定めはすることはあっても、
買うのはわざわざ手塚さんのお店に行ってから買うほどでした。

子どもへの対応も見事で、
うちの和真のことも「かっくん」と呼んでくれて
和真もしっかりなついていました。
休みになると

「手塚さんのお店に行こうよ」

と言うほどでしたからね。

ふだんからハガキもマメにくれたり、
和真用のおもちゃをお店に用意してくれたりしてくれていました。

一番驚いたのは、

「かずま」と書かれたアニメ『ワンピース』のハンコを

「高速道路のパーキングで見つけました!」

と言って、買って用意してくれて、
来店するのを待っていてくれたことです。

 

今度いつ来店するとも言っていなのに、
お土産を買って、待ってくれている、
その気持ちに感激しました。
そんな手塚さんのファンにならないほうが難しいです。

 

転勤されるのは残念ですが、
きっと新しいお店でも間違いなくファンを増やし、
地域のお客さまから愛されることでしょう。
私も近くに寄ったら遊びに行きたいくらいです。

 

こうして、

人柄と丁寧な応対でファンをつくり、

時として、心の交流までできる。

 

接客業は素晴らしい仕事ですね。
また、いつか手塚さんの接客が受けたいです。

最後までお付き合いいただきありがとうございます。