偏(ひとえ)に風の前の塵に同じ

偏(ひとえ)に風の前の塵に同じ

時折、思い出しては名文だなと感じ入る文章があります。

それは、学生の頃に覚えて、
先生の前で暗唱した『平家物語』です。

平家物語は「祇園精舎の鐘の声〜」と
言わずと知れた名文句からはじまる文章です。

ちょっと紹介しますね。

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祇園精舎の鐘の声

諸行無常の響きあり

沙羅双樹の花の色

盛者必衰の理をあらわす

おごれる人も久しからず

ただ春の夜の夢のごとし

たけき者もついには滅びぬ

偏に風の前の塵に同じ
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うーん、やっぱり名文です。

すべての物は移り変わる、
万物流転の法則

を感じます。

そして、平家物語の冒頭で特に好きなのは下記の文章です。

■ただ春の夜の夢のごとし

■偏(ひとえ)に風の前の塵に同じ

あっという間に終わってしまう幸せを春の夢と表現したり、
抗うこともできずに飛ばされてしまう運命を風の前の塵と表現したり、

比喩表現のうまさだけでなく、
どこか儚くて、もの悲しさまで感じさせてくれます。
こんな名文を一度は書いてみたいものです。

平家物語の学びを深めたい方はこちらをどうぞ。
NHKおはなしのくにクラシックという番組です。

http://www2.nhk.or.jp/school/movie/bangumi.cgi?das_id=D0005150088_00000

そして、平家物語を読むと、
一緒に思い出すのは、私の場合、般若心経ですね。
諸行無常の世界観が、色即是空の世界観に通じます。
般若心経は600巻に及ぶ、大教典を262文字にまとめたそうです。

こうして、練り上げられた文章というのは、
エネルギーを持つと思います。

たとえ短い文章でも、そのひとつひとつの言葉は、
膨大な文章の中から選び抜いた言葉だったり、
たくさんの想いを凝縮したような言葉の連続だからです。

本質を突くような選び抜いた言葉は、
熟考の末に生まれることが多いもの。

メールでも、企画書でも、私たちは
文章を書く場面がたくさんあります。

使う言葉に想いを込める、
核心に迫る言葉を見つけ出す、
相手の心を射抜く言葉を考える。

考え抜いた言葉、心から紡ぎ出された言葉は、
エネルギーを持ち、そのエネルギーは、読み手を動かす
原動力になると思います。

言葉に想いを込める。
そのために、言葉を磨き上げ、練り上げる。

私は、講演をする際に、最後に伝える「ひと言」を決めて、
そのひと言をゴールにして話し続けることがあります。
どこへ寄り道しても、そのひと言のゴールにたどり着くように
するのです。

ゴールを定めておくと一貫性のある話になりますよ!

あなたも私と一緒に試してみませんか?

最後までお付き合いいただきありがとうございます。