部下が期待を超えない理由

部下が期待を超えない理由

これまでのコンサルティングの経験から、上司から指示命令を受けた場合、
部下はミスなく業務指示をこなそうとする方が多いことに気が付きました。

言われた通りにはやるけれどもそれ以上はやらない。

部下に何か指示命令をするとき、人から聞いた話、
どこかの本やセミナーで聞いた話を表面的に理解して、
その受け売りトークで部下に話しをする方がいらっしゃいます。

しかし、これでは部下は動きたいと思えないないでしょう。
動いたとしても卒なくこなす程度だと思います。

自分の能力の100%以上の力を出すことはなく、
ほどほどにこなすという非常に生産性の低い状態になります。

特に大きな変化を伴うような大号令を出すときはなおさらです。

部下は今の仕事習慣を変えようと思ったら、
少なからず、心に抵抗感や痛みを感じるものです。

にもかかわらず、たとえば、上司のセリフが
「上が言っているから、やらないといけない」ではどうでしょう?

おそらく、部下は心の中で、ガクンと肩を落としています。

「はい」と返事をしていても、面従腹背。
その失望感は仕事の成果、モチベーションに大きく影響します。

無味乾燥な指示命令に、人は動かされないし、動きたいと思えない

のです。

では、逆に人はどんな時に、モチベーション高く、
創意工夫や上司の意図を先読みして、主体的に行動するのでしょうか。
それが、

「想いの共有」です。

「想い」とは、
 あなたの感情(喜怒哀楽)価値観や感性の総称として使っています。

想いをストーリーを語るようにしっかりと部下の心に届けてほしいのです。

部下は、あなたが思っている何倍もあなたをよく観察しています。

・何を大切にしている人なのか?
・本音を話してもいい人なのか?
・自分の成果を本心から喜んでくれる人なのか?
・本当に自分の成長を信じて叱ってくれているのか?

部下は、あなたの想いを理解し共感した時に、初めてスイッチが入ります。

その想いに熱があればあるほど、
本音であればあるほど心を動かされ行動したくなります。
情熱は熱伝導のように伝染するのです。

そして、その熱に触れたとき、やらされ感ではなく、
「やりたい!」と内発的な動機づけを起こすことができます。

情熱といっても、体育会系企業に多い、近づくだけでヤケドしそうな
燃えたぎる情熱もあれば、IT・金融系企業に多い口数は少なくても
静かに燃える青い炎もあります。

いずれにしてもあなたの想いが部下の
内発的動機づけ(心のスイッチ)につながります。
スイッチがオンになったとき創意工夫が生まれ主体性の発揮につながります。

だからこそ、あなたは想いをストーリーのように語り、
伝えることが重要なのです。

そして、大切なのは、

あなたがまず心の扉を開いて対話すること。

あなたが武装して、ガチガチに心の扉を閉めて、
内側から内鍵までかけていながら、部下に「さあ話してみろ」と
言っても話せるはずがありません。

まずは、あなたが素直に胸襟を開いて語り始めることからです。
不思議なもので、肩の力を抜いて、自然体になると
表情も雰囲気も柔らかくなり、相手も安心するのです。

部下に協力してもらいたいなら、
まずは、あなたが先に武装解除して心をオープンにしましょう。

部下は「言うことをきかせる相手」ではなく、

「お客さまに喜びと感動を届ける仲間」なのですから。

最後までお付き合いいただきありがとうございます。