指示命令に、ひと工夫

指示命令に、ひと工夫

上司「おーい、
   この仕事、やっておいてくれるか?」

部下「はい。
   ところで、この企画はなぜやることになったのですか?」

上司「うーん、
   実は、俺も分からないだよね。
   でも、上がやれと言っているからさ。頼むよ!」

部下「は、はい、そうですか・・・」

さて、こうした上司と部下のやり取りを見てどう思いますか。

「上がやれと言っている」
という理由で、部下はやる気が出るでしょうか?

「上がやれと言っている」
という理由で、お客さまのため、会社のためと思って、
意気揚々と仕事するでしょうか?

おそらく、

答えは、NO。

この部下は、
お客さまのために創意工夫しようとは思わないでしょう。
指示されたこと以上のことはやろうとはしないでしょう。

少なくとも、私ならやりたくないですね。

社内のちょっとしたやりとりに感じるかも知れませんが、
こうした

上司の言動は周囲に大きな影響を与えています。

部下は、上司の成績を上げるための「手足」ではありません。
指示命令されたことを黙々とこなす「ロボット」ではありません。
喜怒哀楽といった感情があります。

これまでたくさんの企業で、
営業コンサルティングを実施する中で分かったことは、
そこで働く社員の感情が、会社の業績や社風に大きく
影響するということです。

私たちが目指すのは、社員がやりがいを持ちながら、
絆で結ばれた仲間と成長できる会社です。

社員満足があるからこそ、お客さま満足を高めることができます。

社員は無機質な指示命令だけを聞いたら、
無味乾燥なコミュニケーションと受け取り、
やらされ感だけが残り何の動機づけもされません。

指示命令に命を吹き込むために、
血の通ったコミュニケーションのために
特に社会人経験の浅い若手社員には下記のような
「意図」や「想い」を説明する必要があります。

■なぜこの仕事をやってほしいのか?

■この仕事は、お客さま満足と会社の業績向上にどうつながっているのか?

■本人にとってどんなメリットがあるのか?
 

そして、新しい挑戦をさせるなら、
社員の気持ちに寄り添い、やる気を鼓舞して、

一緒に乗り越えようと心の支えとなる。

もちろん、怠け心による失敗には、
「同調」するのではなくしっかり叱る必要がありますよ。

自分がスキルや経験が無いので、指導できないと言う先輩社員も
いらっしゃいますが、スキルやノウハウは他の先輩に助けてもらっても
大丈夫です。

それよりも、

若手社員の心に寄り添うことのほうが大切です。
プロフェッショナルとしての心構えを伝えることが大切です。

叱るのが怖いという方もいますが、
根底に愛情が流れていれば、相手も叱られながらも
心の底では感謝をしているものです。

「その瞬間は分からなくても、将来必ず分かってくれるハズ」と
こちらも腹をくくる必要があります。

大切なのは、

仕事を通じて、相手も自分も
お互いに成長しようとする姿勢

なのです。

私たちは、部下がいるから、上司でいられるのです。
部下のおかげで、上司という役割を全うできるのです。

さて、今日は上司の指示命令についてお伝えしました。

ちょっとした気遣いで部下の生産性は何倍にもなります。
創意工夫を楽しみ、意気揚々と仕事をします。

成果の出すリーダーは、例外なく指示命令が上手です。

最後までお付き合いいただきありがとうございます。