劇団員のいる回転寿司屋さん

劇団員のいる回転寿司屋さん

突然ですが、回転寿司って美味しいですよね。

私が子供の頃と比べると数段、
美味しくなっているように感じます。

もちろん、回らない寿司もいいのですが、
家族でワイワイ楽しみながら、値段も安いし、
気兼ねなく食べられるので我が家もよく行きます。

ちなみに、何年にも渡って営業研修を担当させていただいている、
水産加工メーカーさんがあるのですが、こちらの会社さんは、
回転寿司屋さんに商品を納品しているので、納品している商品は
必ず食べるようにしています。

ところで、回転寿司業界での大手企業として、
有名なのは、スシロー、カッパ寿司、くら寿司、はま寿司と
いったところでしょうか。

そんな大手回転寿司チェーンをしり目に、
まったく違う独自の方法で業績を伸ばしている回転寿司屋さんがあります。

それが、千葉県を中心に根強いファンを持つ「すし銚子丸」です。

■銚子丸ホームページ
http://www.choushimaru.co.jp/index.html

 

はっきり言って、高いと思います。
でも、それ以上の価値があります。

私の感覚からすると客単価は、
おそらく2倍位いくと思います(我が家比べ)。

ただし、それ以上に美味しい!しかも楽しい!
家族の想い出まで作ってくれる回転寿司屋さんなのです。

このお店がユニークだなと感じるのは、
まずは社員やパートさんに対するネーミング。

スタッフを何と呼ぶかというと、「劇団員」ですよ!
そんな回転寿司屋さん、聞いたことありません。
しかも盛り上げ責任者を「座長」と呼びます。

あ、ちょっと待てよ、
ディズニーランドでは、キャストと呼びますね。

そこから着想したのかもしれませんが、

お客さまに喜んでもらいたいという気持ちは同じですね。

銚子丸のホームページの求人情報をのぞいてみると
こんなことが書いてあります。
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目の前で活魚をさばき、寿司を握る。
真心を提供し、お客様の感謝と喜びをいただく。

銚子丸では、店舗を舞台にたとえています。

1店舗あたりの劇団員は6〜10人で、
とにかくお客様を精一杯もてなす役です。

店をプロデュースするのが店長で、
それを支える責任者が料理長と座長。

料理長は調理場の責任者として寿司の品質管理にあたり、
座長は、マイク片手に、ホールと調理場の間にあるレール内で
店内を絶えず見渡しながら、盛り上げ責任者としての役割を果たします。

劇団員は、お客様の目の前で活魚をさばき、
寿司を握り、お客様にお出しします。
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私は千葉県千葉市生まれの浦安在住なので、
小さな頃から、近くに銚子丸がたくさんありました。

先日は、久しぶりに家族で行きましたが、
生簀から生きたカンパチを網で捕まえるタイミングで、
息子が大興奮して喜んでいました。

店長さんが、一生懸命にカンパチを捕まえようと
するのですが、カンパチも逃げ回ってなかなか捕まらない。

盛り上げ役の座長はそれを見てすかさず、マイクで
「店長がんばれ!カンパチがんばれ!」と合いの手を入れて、
店内を沸かせます。

カンパチが逃げる度に、水しぶきが上がって、
うちの子も他の家族の子供も「キャーキャー」大はしゃぎ!

店長は「今日はやけに活きがいいな!難しいぞ!」と言いながらも
奮闘してやっと捕獲に成功。両手でカンパチ持って、高々と、
そして息を切らしながら上にあげると店内から拍手喝采!

私も思わず「おー!やったー」と声に出し拍手までしていました。
これだけで、一緒に応援していたお客さま同士、劇団員同志、
同じ「がんばれ!」という気持ちと「よくぞ捕まえました!」という
気持ちがひとつになって、一気に店内は一体感であふれました。

こうした一体感は、いい気分になりますね。
野球やサッカーなどの好きなチームを応援する
サポーター心理と同じかもしれませんね。

さて、その後、カンパチをみんなが見える場所ですぐにさばいてくれて、
座長が「取れたてのカンパチどうですか?」と促せば、
あちこちから挙がる手、手、手。。。

私もカンパチ好きなこともあり、すぐに頼んじゃいました。
目の前で捕まえるところから、店内の一体感、魚をさばくところ———

こうしたストーリーを一緒に体験したら、
もう頼まない訳にはいかないでしょう〜。
しかも、喜んで!

ただでさえ美味しいカンパチが余計に美味しく感じました。

劇団員さんの、接客サービスも非常に良いので、
気持ちよく食事ができます。

大手回転寿司チェーンの超効率的なオペレーションは、
はっきり言うとお客さまがさばかれてます。

店内に入れば、受付パネルに人数を入力。順番が来たら番号で呼び出し。
お寿司を握る所は見られずにバックヤード調理(ロボットですが)、
注文はタッチパネル———

店員さんとの触れ合いは最初の案内と会計のみ。

だからこそ、安い価格を実現できているのですが、
たまには、非効率だけど、お寿司の楽しさ、職人さんの威勢の良さ、
ハキハキした挨拶を味あわせてくれる回転寿司屋さんもいいですね。

ぜひ、一度、足を運んでみてください。
おいしく、楽しく、仕事のヒントまで見つかっちゃいますよ。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございます。