あなたの会社に新入社員やアルバイトなど
新しい仲間が加わることってありますか?
もしそうなら、彼ら(新人)を指導する
トレーナーの育成は欠かせません。
トレーナー教育をせずに「あなたに任せた!」と任命するのは、
言う方は簡単ですが、言われた方は途方に暮れてしまいます。
権限の委譲とか、マネジメント能力の向上という大義名分で、
上司は先輩となる社員に丸投げ(放任)しているだけです。
こうした丸投げでは、トレーナーは、効果的な褒め方、叱り方を
知らず属人的なやり方で育成計画も立てずに新人を育成してしまいます。
トレーナーにも人を育てる素養としての得手不得手があります。
こうした特性を無視して、業務命令として「押し付けられた」と
トレーナーに感じさせたとしたら、義務感以外の何ものでもありません。
何より、指導される新人はたまったものではありません。
ましてや、トレーナーや新人が複数人いた場合、
数年後の各ペアの成長のバラツキは相当なものです。
どうすれば新人を一日でも早く一人前にできるか?
どうすればトレーナーを動機づけできるか?
その肝心な部分をしっかりと経営者や上司は考えなければいけません。
トレーナーが必ず思うであろう
「なんで私が担当なの?」「業務が忙しいのに」といった疑問に
しっかり応えなければトレーナーのモチベーションは下がる一方です。
トレーナーに対しては、育成上のスキルとして、
褒め方、叱り方、承認の方法、効果的なフィードバックの方法などは
もちろん、それ以上に心構えをしっかり持ってもらう必要があります。
心構えとしては、率先垂範する先輩としての役割、
この貴重な機会を活かして「自分自身を成長させる機会」であることを
しっかりと認識してもらいます。
「この機会が自分にとってどんな意味があるか」を
考えていただき、自分へのメリットと将来に役立つことを
把握させ、しっかりと動機づけます。
ちなみに、私がトレーナー研修をやる時の第一声は、
「みなさん、おめでとうございます!」
「自己成長の絶好の機会を得ましたね!」です。
新人を育成する機会なんて滅多にありません。
彼らから、一生懸命さを学んだり、初心や原点を思い出したり、
しっかりと育成に関心を持って取り組めば取り組むほど、
教えるつもりが、教わることが多いことが体感できると思います。
トレーナー研修を弊社のような研修会社に依頼するには、
費用もかかりますから、そこまで費用をかけられないということであれば、
トレーナーや新人の成長に合わせた適切な教材(書籍やDVD)を
準備したり、一般公開型のオープンセミナーに参加するのもいいでしょう。
とにかく、仲間としてしっかり迎え入れる態勢がしっかりあること。
こうした環境を新人は見事に見抜きます。
新人がすぐに辞めると嘆くまえに自社の受け入れ態勢を
見直しましょう。
新人が会社に求めるものは給料だけではありません。
給料の多寡にかかわらず、
この会社にいると自分は成長できるなという成長実感が得られた時、
会社の仲間から歓迎されている期待されていると心の底から思えた時、
新人は、驚くほどの成長を遂げるのです。
そして、こうして育てられた新人は、
今度は同じように自分の後輩を育てるのです。
人に対して篤い会社は、どんどん強い組織になります。
人を大事にする、人を育てる組織風土はこうして「伝承」
されていくのです。
さて、あなたの会社はいかがでしょうか?
ちょっと立ち止まって考えてみましょう。