「代案」はおもてなし

「代案」はおもてなし

二人で遊びの約束をするとします。
その時に例えば、「来週の水曜日空いてる?」とメールした時に、
「その日はダメなんだよね〜」とだけ返ってきたらどうでしょう。

送り主は、
「そっか、その日はダメだんだね。じゃあ、木曜日はどう?」
と返したとします。

その返事は、また「その日はダメなんだよね〜」だけ。

こんなやり取りが繰り返されたら、イヤになっちゃいませんか?

少なくとも、私は
「この人は自分と会う気は無いのかもしれないな」と思います。

その日がダメなら、「その日はダメなんだよね〜」と言うだけでなく、
自分の都合のいい日をいくつか候補として挙げるのが思いやりだと
考えるからです。

つまり、代案です

会いたいという気持があるなら、相手の立場を考えるなら、
その位の配慮はするだろうと考えるからです。

例えば、居酒屋に行って、手羽先を頼んだとする。
その時、「手羽先は売り切れなんですよね〜」と言われたら、
普通は、それで注文を辞めてしまう方がほとんどでしょう。

しかし、もし店員さんにこう言われたらどうでしょう。

「申し訳ありません!
 好評につき手羽先は売り切れてしまったのですが、
 同じ宮崎地鶏を使ったアツアツの唐揚げならすぐにご用意できます!
 こちらもおいしいですよ。私のおすすめです!」

私なら、「いいね!それください!」と言っちゃいます。

お客さまの期待感を落とさずに、がっかりさせずに代案を示す。

これだけで売上が上がることが多いのです。

何も居酒屋に限った話ではありません。

小売業でも接客サービス業はもちろん
BtoBでも同じことが言えます。

お客さまから企画書を今日中にくれと言われた。

「すみません。無理です」と言う前に、

「今日は打ち合わせが続いて難しいので、とり急ぎ似たようなケースを
 探して、参考に送ります。一度ご覧いただけますでしょうか?
 ご依頼の企画書は、明日までにお送りします。
 もし本日お送りした資料の感想があれば教えていただけると幸いです」

とあれば、こちらは打ち合わせをしている最中に先方は事例を見ながら、
考えを深めて、やりたい事がはっきりしてくるし、感想をもらえれば、
その分だけ精度の高い企画書をこちらも用意することができます。

遠回りする必要がないので、時間も短縮できます。
お客さまにとっても、自分にとってもメリットがありますよね。

お客さまの立場に立って代案を示す。

たとえ、それでお客さまからの注文が得られなかったとしても
「ああ、この人はちゃんと考えてくれたんだな」という
誠実な印象は確実に残ります。
信頼関係は、そうした小さな積み重ねでしか得られません。

お客さまの要望に応えられない時でも代案を出すこと。
「代案はおもてなし」です。

最後までお付き合いいただきありがとうございます。