冷や汗を教訓に

冷や汗を教訓に

以前、旅行会社に勤めていたときの話です。

まだ入社して1年目だったと思いますが、
東京の目黒駅近くにある歯医者さんを先輩から引き継ぎました。

その歯医者さんは50代半ば位で、同じ歯科大学を卒業した同級生で、
毎年旅行をする方でした。親しい方と8人位の小さなグループ旅行です。

何回か打ち合わせをしていたのですが、その旅行の幹事さんが、
いつもタバコを吸っているんです。いわゆるヘビースモーカーでした。
(歯医者さんなんですけどね)

結局、その年の旅行は山形旅行に決まり、旅行の手配などもすべて
済ませて、旅行の1週間前に切符などをお客さまに届けに伺いました。
いつもの通り、お客様はタバコを吸いながらの打ち合わせです。
そして、

私「これが、ホテルのクーポンです。
  そして、これが新幹線の喫煙席の切符ですね。」

歯医者さん「え!そうなの?禁煙席が良かったんだけど」

私「そうだったんですか!てっきり喫煙かと・・・。
  申し訳ありません。すぐに取りなおしてきます!」
 (思い込みで、喫煙席だと勝手に判断していたのです)

私は、真っ青になって汗をダラダラ流しながら会社に戻りました。
間違えてた切符(喫煙席)を禁煙席に取りなおそうと、
必死に座席を探したのですが、混んでいて並びの席を
取ることができませんでした。

8席の禁煙席が、ずっと並びではなくて、途中に他のお客様を
挟んで左右に合計8席取るようなカタチになってしまいました。

グループでの旅行なので、やっぱり飛び飛びの席は嫌ですよね。
座席を上から見ると、歯抜け状態での座席になっちゃったんです。

歯抜けはやっぱり気になりますよね。
何より、お客さまは歯医者さんでしたからね・・・。

でも、改めてお客さまのところに行ったら、
「そうか、そうか、たった数時間だし別にいいよ。 
 それより、一生懸命がんばってくれてありがとう」

と、笑って許してくれて本当にほっとしました。
あの時のお客さまの大らかな対応と冷や汗は、
今でもはっきり覚えてます。

私はこの失敗から「自分の思い込みで判断しない」という
教訓

を得ることができました。

あの時以来、いまだに新幹線や飛行機の予約を取る時は、
何度も何度も確認するようになりました。もう癖です。

失敗からは学ぶことが多いですね。

最後までお付き合いいただきありがとうございます。