「ニセモノだ!」ってなぜ?

「ニセモノだ!」ってなぜ?

私が小学校3年生のころの話です。
暑かったので季節は夏だったと思います。

ある時、昼休みに学校の廊下を歩いていたら、
前の方から同級生の女の子が歩いてきました。

そして、すれ違いざまに突然、私に向かって、
「ニセモノだ!」と言うのです。

私には何の事だかサッパリ分かりませんでした。

それからというもの、その女の子と下駄箱で会っても、
図書室で会っても、登下校中に会っても、とにかくどこでも
私の顔を見るなり「ニセモノだ!」と言ってくるのです。

子どもながらに「ニセモノ」という言葉は強烈・・・。
その子に会うのがだんだんイヤになってきました。
会えば、また「ニセモノだ!」って言われますからね。

だから、その子が居ると目を合わせないようにしたり、
廊下でまた前の方から来るのが分かったら、行きたくもないのに
トイレに逃げ込んだりしました。

しばらくして、「ニセモノ」と言われる理由が分かったんです。

私は男同士の双子で、同じ学年に双子の弟(洋介)がいました。

双子ですから、当然、似たような顔をしています。

どうやら、その女の子は、
双子の弟の洋介の事が好きだったみたいなんです。

つまり、その女の子にとって本物は双子の洋介で、
私はよく似た「ニセモノ」だったのです。

「そういう事か〜」と分かった時は、
なにか変な安堵感がありましたね。

それにしても、ニセモノって。

いくらなんでもニセモノはひどいですよね(笑)。

今となっては笑い話ですが、子ども時代の私にとっては、
とても印象的な出来事でした。

いまでも、テレビなどで「ニセモノ!」という言葉を聴くと、
当時のことを想い出すことがあります。

双子の私から、声を大にして言いたい。

「双子は二人とも本物です!」

昔の話とはいえ、衝撃的な「ひと言」というのは、
ずっと覚えているものですね。

きっと、その女の子はまったく覚えて無いと思いますけどね。
私たちの仕事でもプライベートでも

言った側は忘れているけど、言われた本人はずっと覚えている。

そんなことってよくあるんだと思います。

周囲の人に「私に言われたひと言で印象的な言葉って何?」
聴いてみるのもいいかもしれませんね。

ではでは、今日は私の小学校時代の想い出話に
お付き合いいただきありがとうございました。