愛の手紙

愛の手紙

初恋の人へ、生涯の伴侶へ、戦場に逝ったあの人へ…。

16歳から80歳まで、年齢順に並べられた100通の恋文が語る、
愛することの切なさと美しさ。

そんな、恋文をまとめた
『世界で一番いとしいあなたへ』という本があります。

書籍紹介のページから引用すると、
 岡山県新見市は中世、新見庄と呼ばれ、京都東寺の荘園のひとつでした。
 ここに派遣された代官・祐清とその身のまわりを世話していた
 “たまがき”はいつしか深く愛し合うようになりましたが、祐清は
 領地見回りの途上、不慮の死を遂げました。“たまがき”は祐清へ
 の思いを断ち切れず、自らの恋情をつづった手紙をしたため、東寺
 に送りました。これが「たまがき書状」(国指定重要文化財)です。
 本書はこの書状にちなんで全国から寄せられた「愛の手紙」のなか
 から100篇を選び、一冊にまとめたものです。

この書籍の中で紹介されている『貴方へ』という手紙を紹介します。
兵庫県神戸市の浜勝江さん(33歳・主婦)が、旦那さんに宛てて書いた
手紙です。

どうぞ深呼吸して静かな気持ちでお読みくださいね。

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『貴方へ』

来年で結婚10周年。

今、貴方に感謝の気持ちで一杯です。

5歳を頭に2歳の双子のパパである貴方は、
仕事から帰って来ても休まる暇もないのに

「きみの子育ての苦労に比べたら、足元にもおよばないよ」って、
大きなひざに双子、後ろから「おんぶ!」といって息子。

それでもニコニコしている貴方。

私の方こそ頭が下がります。

あれは、1年前の大震災の時も、双子と私の上にかぶさり
「2階で寝てるから見てくる」と言って、ガラスの破片だらけの
階段を素足のぼって行って、息子をだっこして下りてきて、
貴方、大声で歌ってあげてたよね。

「お父さんは歌が歌えるんだから、こわくないよ」って。

「ゾウさん、ゾウさん・・・」

その間も、何度も余震がおそってきたけど、
子ども達、ニコニコしてた。

貴方って、本当に大きな人なんだなあ、って感心した。

背も低いし顔も二枚目じゃないけれど、
私、人生の宝クジ、大当たり!

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いかがでしたでしょうか?

短い手紙の中に、家族の幸せと愛情が
ぎゅっと詰まっていて読んでいるこちらまで
幸せな気持ちになります。

子どもたちへのやさしさ、
夫婦がお互いを思いやる気持ちにあふれています。
こんな環境で育った子どもたちはきっと幸せになるでしょうね。

目の前の人を幸せにすることで、自分も幸せになる。

幸せって身近にあるものなのかも知れませんね。

最後までお付き合いいただきありがとうございます。