支援は姿勢

支援は姿勢

ある起業家の話です。

その方は、3店舗の飲食店の経営をしていましたが、
毎日一所懸命に働いているにもかかわらず、
毎月150万円前後の赤字を出し続けている状況でした。

どうしたらいいか悩み続けていましたが、
なかなかこれといった打開策が見つかりません。

そんなある日、やっと片言で話し始めた子供が
自分に何かを告げようとしています。

何を言っているのか分かりませんでしたが、
よくよく聞いてみると、

「にほんいちのパパ」

と言っています。
そのように聞こえるのです。

思わず涙がこぼれてきました。

なんと自分は情けない人間なんだろう。
子供の言葉に素直にうなずけない自分が悔しい・・・。

日本一どころか、明日食べていけるかどうかもわからない。
こんなことで負けてはいられない。
子供の言葉に、胸を張って「そうだよ!」と答えたい。

それから、彼は一念発起し、なんと料理のすべてを
改善することに全力で取り組み始めます。

社員の猛烈な反対もありましたが、
改善に対する彼の意欲がそれを上回りました。

研究を重ねて作った料理が、次第にお客さまに喜ばれていった結果、
そのわずか2年後には25店舗にまで店舗数を拡大しました。

実は、この話には、その陰に奥様の見えない支援が
あったのは、言うまでもありません。l

仕事の面では、何も手伝う事ができない奥様は、
心の中でいつも彼を励まし続けていたのです。

毎日子供に対して、帰りの遅いパパがいない家の中で
「あなたのパパは日本一のパパよ」と語りかけていたのです。

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いかがでしょうか?
私たちはこの奥様のような姿勢を持っているでしょうか?

支援とは手法ではなく、姿勢です。

何を支援するかではなく、どのような気持ちで支援するか———
支援しようとする気持があれば、具体的な支援の手法は問いません。
その時、自分にできるベストな手法を選べばいいのです。

たとえ、その手法で効果がなくても、さらに新しい手法で
支援し続ける姿勢そのものが「支援」なのです。

相手の問題があまりに大きくて、難しくて、
自分には何も支援できないと思う時があるかもしれません。

しかし、支援の姿勢を持っていれば具体的な支援が
何もできなかったとしても、ずっとそばにいるだけで、
あるいは24時間いつでも相手からの電話に出るだけでも、
すばらしい支援となります。

支援において大切なのは相手を思いやる気持ちです。

支援は、見返りを求めないほど本物になります。
そして、本物の支援ができるほど、結果として
大きな見返りが返ってくるのではないでしょうか。

今回は自戒を込めて書きました。
共にがんばりましょう!

なお、今回の話は下記の書籍を参考にしました。
『メンタリングマネジメント』福島正信著 ダイヤモンド社

最後までお付き合いいただきありがとうございます。