変わらないために、変わり続ける

変わらないために、変わり続ける

岩手県の沿岸部にある漁師町、釜石に親子3代に渡って
漁師を営んできた佐々木さんがいました。

先代から代々受け継いできた木造の船は、型は古いが
時化(しけ)には強いと演歌で聞くような町で評判の船でした。

2011年3月11日の東日本大震災で津波に襲われたものの、
奇跡的に少しの傷をつけただけで発見されたそうです。
何よりもその船を大事にしていた佐々木さんは、
津波から生還してきたその船を見て心から喜びました。
まるで我が子のように船を撫で、磨きました。

板が腐っていれば交換し、ペンキを塗ったりと
昔から手入れを怠らずに大切に乗り続けていました。

昔から手入れをずっとしてきていたので、船の板は
どんどん入れ替わり、すべての板が新しいものに替わりました。

そこで、ふと佐々木さんは考えました。

「私はずっと大切に船を手入れして乗り続けてきた。
 目の前の船は確かに私の船だが、船の板は全て新しい。

 これは本当に私が大切に思っていたあの船と言えるのだろうか?
 これはまったく別の船ではないのか?

 それなら、いったいいつから元の船でなくなったのか・・・」

これには、町の漁師さんたちも誰も答えられなかったそうです。

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いかがでしたでしょうか?

この話ははギリシャ神話として伝わる話を元に、
私が寓話をつくりました。

いわゆるフィクションですので、
本当の話だと思った方は失礼しました。

さて、ここでお伝えしたかったのは、
「佐々木さんの船」の価値です。

佐々木さんは、この船を家族のように大切にして、
海原を駆け、魚を獲り、生計を立ててきました。

船は板や帆といった物質ではなく、
安全に快適に海を移動する役割と価値がありました。

佐々木さんは、船の役割である「安全に快適に海を移動する」
ために傷んだ板を交換しながら熱心に手入れをし続けてきました。

船という乗り物は変わっていませんが、その役割である
「安全に快適に海を移動する」ために手入れをすることで、
物質や機能を変えていく努力をし続けてきたのです。

「変わらないために、変わり続ける」

無意識かもしれませんが、
そんな努力をひたむきにしてきたのです。
これは、私たちの会社や仕事にも言えることですよね。

私たちもお客さまから変わらぬご愛顧、ご支持をいただくために

時代の変化、お客さまの変化に合わせて常に高い品質、
良いサービスを磨き続けなければならない

のではないでしょうか。

さて、あなたが変わらないために
変わり続けていることは何ですか?

最後までお付き合いいただきありがとうございます。