加藤さん、語り継がれたFAXDM

加藤さん、語り継がれたFAXDM

どうすればお客さまから注文をいただくことができるのか?
しかも、こちらから飛び込み営業などをすることなく
お客さまが自ら手を上げる方法で———

その答えの一つがFAXDMであり、
前回のコラムではこう書きました。
>このFAXDMの成功が、私が意図して実行した
>マーケティングの中ではじめての成功体験だったように思います。

この成功体験がマーケティングに興味を持った
私の原体験でもあります。

このFAXDMですが、旅行会社を辞めて4年経ち
マーケティングの仕事をしている時にふと見たくなって
後輩に電話しました。

私「久しぶり!ねえ、前にFAXDMやったの覚えてる?」

後輩「もちろん覚えてますよ〜。あれはすごかったですね!」

 私「覚えてくれてるんだ。ありがとね。あのDMって持ってる?」

後輩「しっかり取ってありますよ。送りましょうか?」

 私「ありがとう!」

私が辞めて4年経っても取っておいてくれたんですね。
そして、送られてきたエクセルデータファイル名が、
これまたうれしかった。

ファイル名「加藤さん伝説のFAXDM」

今日は、そのFAXDMにどんなことを書いていたのか?
ちょこっとだけ公開しますね。
A4サイズのDMの3分の1位を使ってお客さまへの約束を書いています。

こんな感じでした(原文のまま)。
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 「わくわく」と「感動」をお届けする
             旅の相談役「加藤芳久」のお約束

 【しつこくしません。情熱と誠意を持って、お手伝いします。】

 お客様の依頼が無い限り、アポイント無しに突然訪問して、
 大切なお時間を奪うようなことはしません。
 なぜなら、そんな時間があれば、取引中のお客様と一緒になって、
 新しいアイデアを考える方が楽しいからです。

 残念ながら、取引を見合わせるという場合も強引に
 引き止めたりしませんので、ご安心ください。
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他にはこんなことも書いてました。

「充分、ご理解、ご納得頂いてから、お申込ください。
 信頼関係のある長いお付き合いをさせて頂きます」

なんだか、昔から今と同じこと考えていたんだなと思います。
これらの文言以外には、自分の自己紹介やお客さまがふだん使っている
専門用語をあえてたくさん使ったりもしていました。

このFAXDMは送信してからすぐに一本の電話が鳴りました。

すぐにお伺いすると、開口一番、笑顔で言われました。
「このDMはすごい。ウチのことよくわかってるね」と。
値下げ依頼も他社との相見積もり無しで仕事が決まったのです。

それまで、飛び込み営業で足を棒のようにしながら歩き続け
犬を追い払うかのように冷たく追い返されて、
何度も何度も頭を下げても仕事がもらえなかったのです。

それが、会社に居ながらにしてFAXを送り
お客さまから「来てくれ」と連絡があり受注したのです。
私にとっては最高にうれしかった瞬間でした。

FAXDMは売り込みではなく

お客さまにいい旅行を楽しんでほしい。
そんな

ラブレターのような想い

が通じたんだと思います。

このFAXDMは、その後、東京23区すべての
消防署へ送り、成功を収めることができました。

このあたりも含めて次週へつづく。
そうそう、調子に乗り過ぎて失敗した話もしますね。

いつも最後までお付き合いいただきありがとうございます。