前職でのこと—
営業成績が良くてイケイケドンドンで
目標達成のためなら何でもするという目つきも鋭い
まさにギラギラした鈴木さん(仮名)がいました。
鈴木さんは、成果主義の名のもとに30代後半で役職に就き、
それまで先輩だった高橋さん(仮名)が鈴木さんの部下になりました。
いわば年上の部下を持つことになったのです。
高橋さんは成績がイマイチ伸び悩んでいた方でした。
ある日、営業会議で鈴木さんが仕切る時がありました。
鈴木さんは、いままで先輩だった高橋さんに対してこれまでの
「高橋さん」ではなく「タカハシ!」と名前で呼び捨てに・・・。
数字の上がらない高橋さんに対して敬語も無くなり、
「なんでこんな低い予算ができないの?理由は?」と
いきなり友達言葉(タメ口)になってしまいまいした。
高橋さんは立場が無く、私たち後輩にも合わせる顔が
無いといった感じで会議中、終始うつむいたままでした。
そんな光景を見るのも心が痛かったのを覚えています。
それから数年が経ちました・・・。
営業成績抜群でイケイケだった鈴木さんは、
だんだん数字を上げられなくなっていました。
高飛車だった発言は弱々しくなり、それまで威勢の良さはどこへやら。
そんな中、鈴木さんはお客さまに迷惑をかける失敗をします。
普通なら注意で終わるぐらいの失敗にも見えましたが、
天狗になっていた鈴木さんを周囲は許しませんでした。
鈴木さんは責任を追及され、異動。
一気にエリートコースから転落していきました。
その後、会社を辞めることになります。
私たちは好調な時もあれば不調の時もあります。
常に絶好調な人など居ないのです。
部下でも相手が年上なら敬語を使うのは当たり前。
呼び捨てもあり得ないことです。
役職の上下はあっても年長者に敬意を払うのは当然のこと。
好調な時こそ、謙虚に、驕(おご)らず。
不調の時は笑顔を忘れず諦めず。
そんな事を痛感した事件でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。