起こしたくなくても起きてしまうもの・・・。
それがクレームです。
仕事をしていれば故意はなくとも
思い違いからクレームは発生することがあります。
私もお客さまのご要望を勘違いして、
お客さまを怒らせてしまったこともあります。
旅行会社に勤めていたときの話です。
医大を卒業されたOBが集まる医者会のグループ旅行で、
会社としてもVIP対応していた大切なお客様でした。
そんな大切なお客さまのJR指定席券を
喫煙希望だったにも関わらず勘違いして禁煙席を手配してしまいました。
この時は、お客さまから電話をいただきミスが発覚して、
すぐに切符の交換と謝罪にお客さまのもとへ伺いました。
途中の駅でバームクーヘンを買い、素直に謝ったのがよかったのか
電話では興奮していたお客さまも「すぐに来てくれてありがとう」と
笑顔で許してくれました。
お客さまの笑顔にどれだけホッとしたことか。
電話をいただいた翌日の訪問だったら、
お客さまも不満を抱いたまま1日過ごすことになったことでしょう。
すぐに許してくれなかったかも知れません。
お客さまからすると
「自分のために最優先ですぐに動いてくれた」という事実が
お客さまの気持ちを和らげたんだと思います。
いまだにバームクーヘンを見ると、
あのとき冷や汗をかいた経験を思いだします・・・。
この時の教訓からクレーム対応にはスピードが大事だと痛感しました。
そして、私が考えるクレーム対応の基本は次の3つです。
■とにかくスピード
電話でも訪問でもお客さまにすぐに連絡を取る。
■誠実に耳を傾ける
起きた減少やお客さまの気持ちを口を挟まずに耳を傾ける。
■まずは、すぐにお詫びする。
こちらに非がなくても不快な思いを与えてしまったことは事実です。
説明不足や思い違いがあったのでしょう。
その場合は起きた現象には触れずにお詫びします。
(例)
・不快なお気持ちにさせてしまい申し訳ありませんでした。
・説明不足の点があり申し訳ございませんでした。
・せっかくのご信頼にお応えできず申し訳ありませんでした。
あとは、しっかりとフォローさえすれば、
通常のクレームならお客さまも気持ちを収めてくださるはずです。
なお、クレーム処理という言葉がありますが、
この言葉は使わないことをおすすめします。
なぜなら、処理とは「あと始末」という意味合いがあるからです。
お客さまの声を処理すると考えているうちは、クレームは面倒くさいもの、
効率的になるべく早く処理して「こなす」ものになってしまいます。
クレームは「処理」ではなく「対応」です。
クレーム対応となると「お互い向きあうこと」になります。
お客さまの声に真摯に向き合ったとき、クレームは改善のヒント、
成長の糸口となります。
クレーム処理はせずにクレーム対応をしましょう。
そもそもクレームを言ってくださるお客さまは、
私たちに期待してくださっている証拠。
お客さまには「真摯に受け止めてくれた」と感じていただき、
期待を超える対応をすることで、クレームを好機にして、
ファンになっていただくこともできます。
では、どうすればクレームのお客さまをファンに変えることができるのか?
ぜひ周りの方と話し合ったり考えてみてくださいね。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。