私が、旅行会社に新卒で入社した時のことです。
入社してすぐに東京駅近くの丸の内支店に配属されました。
入社して数日間の研修と、1週間ほど先輩と営業同行をして、
4月の3週目には一人で周辺の企業へ飛び込み営業をしていました。
法人営業で社員旅行を取る仕事でしたが、
どんなに飛び込み営業をがんばっても私のような知識も経験もない
新人に仕事を頼む方は、はっきり言って居ません。
それでも足が棒のようになりながら、
毎日、毎日、必死で歩き回りました。
お客さまには、まるで犬でも追い払うかのように
いかにも迷惑そうな顔をされて追い返される日々が続きました。
ドアホンを押すのが怖いと思いながらも相当な数の飛び込み営業を
繰り返して、やっとのことで人生で初めての仕事を頂いた時は、
飛び上がるほど嬉しかったです。
いまだにそのお客さまの会社も顔も覚えています。
1泊2日の伊豆の温泉旅行の家族旅行の手配でした。
初めて仕事を頂いたあの時の感激、
お客さまの顔は、一生忘れないでしょう。
そして、私が嬉しさの余り、
お客さまに出したのがお礼のハガキでした。
内容は今思えば、つたない文章だったに違いありません。
それでも、私の感謝と感動の気持ちを
お客さまはしっかりと受け取ってくださいました。
数ヵ月後、急な人事異動で私が渋谷支店に
異動になって転勤の挨拶にいったときには、
「あの時はお礼のハガキをもらって嬉しかった。ありがとう。
転勤して遠くなるけど、旅行の手配は今後も頼むよ。いいよね?」
とおっしゃっていただきました。
その言葉が、当時の私にとってどれだけ救いとなったことか。
その時、お客さまへ感謝の気持ちを
はっきりと言葉やハガキで伝える大切さを痛感しました。
その想いを受け取ってもらえたことの喜びも知りました。
こうした体験が元となり、
「心をつかむお礼状でクチコミとリピートを起こすセミナー」
が生まれました。
感謝の気持ちは、想っているだけでは相手に伝わりません。
ぜひ、カタチにあらわしてくださいね。
お礼状を出すタイミングが無いと言う方が
たまにいらっしゃいますが、そんなことはありません。
たとえば、
・お客さまに初めて訪問した日、
・お客さまと初めて契約を交わした日
・お客さまとの何気ない会話からお客様の記念日だと分かった日
(誕生日・結婚記念日など)
・お客さまが昇進したとき
・素敵な笑顔で応対してくれたとき
などなど、何でもいいのです。
お礼状を出すきっかけをわざわざ考える必要ありません。
何度も、直接訪問するには時間的にも限界があるので、
ハガキでお客さまに心のこもったお礼を書くことをおすすめします。
会社へ帰社する前に、電車でも営業車でも喫茶店でも
いいですから、とにかくスグに書くことです。
この「スグに」がポイントです。
感謝の気持ちや嬉しい感情が冷めないうちに書くから、
私のようにつたない内容でもお客さまの心に届くことができたのです。
お客さまだって、すぐにハガキをもらえることで、
「この人は仕事が速い。自分を大切に扱ってくれそうだ」
と思ってくださることでしょう。
だからこそ、あなたも営業カバンには、
いつでもどこでもスグにお礼のハガキが書けるように、
ハガキと記念切手を入れておいてください。
「手のひらに一枚の思いやり」
私と一緒に実践しませんか?
最後までお付き合いいただきありがとうございます。