キャンセルをチャンスに変える

キャンセルをチャンスに変える

「すみません、今度の旅行キャンセルしてください」

旅行会社に勤めていた頃、
お客さまから旅行のキャンセルの電話というのは、
日常茶飯事でした。

特に旅行は「平和へのパスポート」と呼ばれるくらい、
世界が平和でないと成り立たない業界です。

ニューヨークでの同時多発テロはもちろん、SARS、
鳥インフルエンザ、世界各地で起こる地震、津波、
飛行機事故など様々な原因でキャンセルとなるのを経験しました。

旅行業界は特に外部環境からキャンセルが発生しやすい業界ですが、
どんな商売でもお客さまからのキャンセルは発生しますよね。

キャンセルが発生すると、
当然、売上を伸ばさなければいけない営業マンとしては、
ショックを受けるはずです。

しかし、実はこのキャンセルの時こそ、
ファンを作る絶好のチャンスなんです。

一番、最悪なパターンは、
自分の売上が減るためそれが声や態度に現れて、
お客さまに失礼な対応や悪態をつくパターンです。

キャンセルをする時点で、お客さまは
「申し訳ない・・・」という感情を持っています。

とくに担当者が、契約前に一生懸命に説明していたり、
親身になって相談に乗ってくれた場合は心苦しく思うのが人情です。

キャンセルを何とも思わないお客さまとは
最初からお付き合いしないほうが後々のためです。(念のため)

キャンセルを申し出たお客さまへの対応は、
親身ににこやかに気持ち良く受けることが鉄則です。

お客さまは、自分でも心苦しく感じているところに、
担当者が優しい言葉をかけてくれたり、気持ち良く
キャンセル受けてくれたら、ホッと安心しますよね。

反対に、心苦しく思っているところに、
嫌味な対応をされると二度と使ってもらえなくなります。

ホッと安心したお客さまは、
あなたの会社のファンになる可能性が高まります。

ファンになると、自分は契約できずに申し訳ないという
感情が働いて、クチコミでほかの方を紹介していただけることが
多くなります。

もちろんお客さまご自身も、翌年や2年後、またはずっと将来に
再び契約してくれる可能性もグッと高くなります。

キャンセルの連絡を受けた時には、和やかに
契約時以上に丁寧に連絡をくれたことへの感謝や
次回使っていただけるように柔らかく促すことが重要です。

1:親身に理由をお伺いする(無理には聞かない)
2:和やかにキャンセル理由への共感と同情(自然に本気で)
3:柔らかく次の契約をお待ちしていることを伝える

キャンセルの応対ひとつでも、
ファンを作ることができます。

あなたの会社では、
キャンセルがあった場合どのような対応をしていますか?

しっかりと、すべての社員がキャンセルの対応を
気持よく受けることができていますか?

こうした小さな取り組みを積み重ねることで、
信頼を獲得して熱烈なファンになってもらうことができるのです。

最後までお付き合いいただきありがとうございます。