(以前のコラムに続き電話応対シリーズです)
「もっと元気よく電話にでなさい!」
私が旅行会社で新入社員として働き始めたとき、
女性の先輩からキツク言われた言葉です。
当時、右も左もわからない不安から
電話に出るのが怖くて怖くてたまりませんでした。
しかも、旅行業界は、スパイ業界かと思うくらい
専門用語がすごく多くて相手が何を言っているのか分からないのです。
一例を挙げると、
新幹線のグリーン車をロザ、普通車をハザと言います。
意味不明な感じがしますが、これは昔、電車の席には
3段階のランクがあり、そのランクを付けるために松竹梅のように
「いろは歌」のイロハでランクを表したものです。
また、敬語や謙譲語、ビジネス的な枕詞である
「お手数ですが・・・」「お忙しいところ・・・」などの言葉遣いも
慣れていないので、すごいプレッシャーでした。
電話に出るのが怖いので、余計に委縮してしまい下を向いて、
先輩に聞かれると恥ずかしいので小さな声で話してました。
それでも、失敗を繰り返しながら、何度も何度も電話に出て、
お客さまと仲良くなるコツや言葉遣いにも慣れるうち、
だんだんとお客様と電話をするのが楽しくて仕方ありませんでした。
そこで、今回お伝えしたいのは、「通話中の声のトーン」です。
電話の通話は相手に声が低く聞こえるのをご存知の方も多いと思います。
声が低いとどうしても、暗いイメージを相手に与えるので、
意識して声のトーンを上げて欲しいのです。
それだけで好感度アップです。
そこで、声のトーンのあげ方のコツですが、
1:電話に出る第一声で明るくして、そのままの勢いでいく。
(前回の記事を参照)
2:楽しい事・好きな人やペットを一瞬でも思い浮かべる。
(声はあなたの心持ちに左右されます)
3:アゴを上げ目線を上にして話す。
(上を向くと自然と声のトーンが上がります)
目線を上げるのは、単純ですが非常に即効性があります。
私も新人時代はこの方法で乗り切りました。
しかも、上を向いていると前向きな発想が
多く出ててくるという副産物もあります。
スキップして笑いながら悲しいことを
考えられないように、身体の動きは心に影響を与えます。
これはやってみると分かりますよ。
次に、絶対にやってはいけないポイントです。
1:食べ物を食べる。飲み物を飲む。
電話機には集音機能があるので、
大丈夫だと思っても相手には聞こえてます!
2:話と関係無いところでキーボードを打つ。
お客さまの過去の履歴を調べるのは別ですが、
話の内容と違う仕事や調べものをしないでください。
相手にはキーボードを叩く音が聞こえています。
お客さまには「あっ、関係無い事してるな」と思われてます。
3:電話口に向かって、咳やクシャミをする。
電話口を手でそっとふさいで、電話口から離れて咳をしてください
以前、電話中に相手に思い切りクシャミをされて、
耳がしばらくキーンとしていたことがあります。
話の途中でしたが、耳がいたくて電話を切ろうかと思いました。
電話は声だけで判断されてしまうのは怖いものですが、
反対に、他の人よりちょっと意識した電話応対をすることで、
お客さまがあなたの熱烈なファンになってくれる可能性があります。
たかが電話、されど電話。
おもてなしの心さえあれば、
電話で信頼関係を作ることだって可能です。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。