混雑時の来店を工夫する

混雑時の来店を工夫する

前回のコラムで「待合室を工夫する」というテーマで
書きましたが、読んでくれた方から感想をいただき嬉しかったです。

店舗ビジネス(飲食・小売・サービス業)の方も
けっこうコラムを読んでいただいているようです。
そこで、今後はファンをつくる接客についても書いていこうと思います。

今回は、飲食店で混雑時の対応について記事にしましたが、
他の業種の方は、自社にどう応用できるか、自分ならどうするかと
考えながらお付き合いいただければと思います。

人気のある飲食店や居酒屋さんになると金曜の夜など、
予約がいっぱいでお店に入れないということがあります。

ところが、せっかくお店まで来ていただいた
お客さまなのに、そのまま帰してしまうお店がとても多いです。

私も何度かそのまま帰された経験がありますが、
その度に「もったいないな〜」と思ってしまいます。

ひどいケースは、混んでるのは分かっているけど入りたくて、
お客さまが、おそるおそる「空いてますか?」と尋ねているのに、
平然と「予約はありますか?」と聞き返すお店です。

あたかも
「アラアラ、うちは人気店なのに予約なしで来たの?」
と言わんばかりです。

ここで気をつけたいのは、
お客さまは遠慮しながら「空いていますか?」と
聞いている訳ですよね。

そうであれば、その時点で、
「このお客さまは予約を取られていないんだな」
と想像しなければいけません。

もともと予約があれば、最初から堂々と
「8時に予約した○○ですけど」と声をかけるはずですから。

予約を取られていないことを先読みして、
何分ほど待てば、ご案内できるかを伝えることもできるはずです。

先読みする力が「おもてなしの力」となり、
熱烈なファン作りには欠かせない力です。

また、あるファストフード店は、友人の分をまとめ買いしようと
一人で来店した男性客がハンバーガーやポテトなどを8人分くらい
注文したら、笑顔で「店内でお召し上がりですか?」と聞かれたそうです。

どう考えても持ち帰りでしょう。
この場合は、「お持ち帰りでよろしいでしょうか?」と
尋ねなければいけません。

マニュアルに毒されていると
こうした一辺倒な対応になってしまいます。

話を戻しますと、満席時の対応としては、
「申し訳ありません。空いたらすぐに連絡します」と言って、
お客さまの携帯電話番号をお伺いして、
後から電話するのも方法のひとつです。

5組に1組くらいは、
「じゃあ、どこかで時間潰してからこよう」とか、
「2軒目にまたこよう」と思っていただけるかもしれません。
これだけで単純に20%売上アップです。

たとえ、その日に来店してくれなくても
「席を確保しようと努力してくれて嬉しかったな。
 今回は行けないけど、またこのお店に来よう」
と感じるお客さまは必ず出てきます。

相手の親切を感じ取ることのできる素敵な
感性を持っているお客さまが店内に溢れると、
不思議とお店の雰囲気がどんどん良くなっていきます。
善循環が始まるきっかけともなります。

また、お客さまがどうしても帰ってしまう場合、
「すいませんでした〜」とお客さまの背中に
いくら元気に大きな声で見送っても意味がありません。

最低限、お客さまには名刺やショップカードを渡しましょう。
できれば名刺サイズの「待たせてゴメンナサイカード」を
作ることをおすすめしています。

そして、このカードに特典を付けるのです。

例えば、
■生ビール1杯無料
■好きなデザートサービス、
■月曜から木曜は特別サービス
■19時までは飲み物半額
何かしらお客さまがお得と感じる特典を考えましょう。

このカードの裏には、営業時間(混雑時間)に加え、
大きな字で電話番号とメールアドレスを記載します。

今後は事前にメールや電話で
予約をしてもらい再度の来店を促すわけです。
(混雑の分散化にも役立ちます)

お客さまに再度来店していたくので、
このカードを「感謝!ブーメランカード」と
名付けてもいいかもしれません。

どんな特典でも「お店に入れなかったけど、ラッキー!」を
演出するだけで格段にリピート率が上がります。

さて、あなたならどんな特典を用意して再来店を促しますか?

最後までお付き合いいただきありがとうございました。