先日、相田みつを美術館に行ってきました。
館内には、年配の女性の方や
学生さん、外国人カップルの旅行者など
たくさんの方がいて人気の高さが伺えます。
所狭しと並べられた相田みつをの書は、
それぞれが力強いエネルギーを発信していました。
ひとつひとつの書と向き合っていると、
時間のたつのをほんとに忘れてしまいますね。
そんな中、新たな発見がありました。
相田みつをといえば、
あの独特な筆づかいが有名ですが、
どうやらあの文字は創作されたものらしいのです。
私は、相田みつをという人は、
生まれつきあのような人間味溢れる字を
書く方だと思っていました。
ところが、自分の詩の世界を表現するために、
苦しみ抜いてやっと辿り着いたのが、あの文字らしいのです。
実は、流麗な草書や楷書も驚くほど達筆に書ける方で、
あのような文字しか書けないと思っていたのは、
恥ずかしながら私の勉強不足でした。
美術館は、美しい書体の立派な掛け軸もありました。
若い頃には書道家として、たくさんの賞を受賞しており、
書道の世界で将来を嘱望されていた一人だったそうです。
そんな相田みつをが、
生前、こんな言葉を残しています。
「書には自分の心の在り方、
健康状態などがありのままに出てしまう。
裸の自分をさらけだすようだ」
だからこそ、着飾った草書や楷書を避けて、
自分独自の世界を表現するために四苦八苦しながら
あの文字に行き着いたんですね。
確かに、「にんげんだもの」と綺麗な楷書で書かれるのと、
相田みつをの味わい深い文字で書かれているのとでは、
見た印象も心に伝わってくるものも違います。
私たちももっと文字に気を配ってもいいかも知れません。
たまには美術館もいいですね。
新しい発見がありました。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。