お客さま心理を考える

お客さま心理を考える

私は大学を出て、旅行会社で法人営業の仕事をしていました。

一般企業の社員旅行を受注するのが主な仕事で、
自分で取ってきた旅行の仕事は自分が添乗員として
同行するのが私のいた会社のスタイルです。

ちなみに、超大手旅行会社は、営業マンが取ってきた仕事は、
自分で添乗に行かずに、添乗員派遣会社に外注する仕組みに
なっていることが多いです。

添乗中こそ、お客様と仲良くなる最大のチャンスなんですけどね。
もったいない・・・。

今回は、旅行会社に入社して初めて、
先輩の添乗にサブ添乗員として同行した時の話です。

羽田空港で飛行機の搭乗手続きをする時、
先輩からこう言われました。


【先輩】

いいか加藤、添乗にはコツがあるんだ。

空港でも観光地でも、お客さまの前では、
一生懸命走って頑張ってる自分をアピールすること。

お客さまから見えないところは歩いて休め。

【私】

なるほど、アピールが大事ですね。

先輩さすがです!私もそうします!

あなたなら、
このアドバイスを聞いてどう思いますか?
ちょっと考えてみてくださいね。

私は、聞いた当時
「先輩はいいこと言うな~。やっぱりアピールは大事だな」
と思ってました。

でも、いまは違います。
お客さまは、添乗員が目の前で、
走っていたらどう感じるでしょうか?

確かに、「添乗員さん頑張ってるな」と
感じてくれるでしょう。

しかしその半面、お客さまの中には、
こう感じる方がいるかもしれません。

「あんなに走ってるんだ。
 こっちは遊んでるのに、何だか申し訳ないな」

意識で感じていなくても、
無意識の中にそう感じさせてしまう可能性があります。

走ってる添乗員を見て、普段の忙しい生活を
思い出させてしまう可能性もあります。

お客さまは、非日常を味わったり、好奇心をワクワクさせたり、
大切な方との想い出を作るために旅行に参加しています。

お客さまには、本当にゆったりとした気分で
旅行そのものを楽しんでもらいたいものです。
だから、いまはお客さまの前では走るべきではないと考えます。

もちろん、急いでいる時は別ですよ。
空港で搭乗アナウンスが流れてるのに、
落ち着いて歩いてたら問題です。全力疾走しましょう!

お客さまの前では、キビキビと
手際よく落ち着いて対応する。

お客さまから見えないところでは、
お客さまを待たせないために走って、
搭乗手続きやホテルチェックインに向かう。

そうして、お客さまの心理的な負担までも
かけないように配慮すること。

お客さまに旅行を充分に楽しんでもらうことが、
いちばん嬉しいことですもんね。

こうした価値観は旅行会社の話だけではありません。
あなたの会社でも応用できるはずです。
ちょっと考えてみませんか?

お客さま満足の追及には、終わりがないからこそ、
楽しくて、やりがいのあることですよね。

私と一緒にお客さまを喜ばせていきましょう!

最後までお付き合いいただき
ありがとうございます。