合言葉は、そこまでやるか!

合言葉は、そこまでやるか!

数年前の話です。
当時勤めていた出版社には、すごく良く働いてくれる
Oさんというパートさんがいらっしゃいました。
(過去、私は旅行会社で7年、出版社で3年で働いてます)

本当に色んなことを気遣って、
丁寧に仕事をしてくれる方でした。

そんな、Oさんのクチグセは
「私ってみんなの役に立ってるのかしら・・・」
自信をもつことが少し苦手な性格のようです。

そんなOさんが、夏休みに
夫婦で九州旅行に行くと聞きました。

いつも頑張ってくれているOさんに
何かしてあげたいと考えていた私は、
あるサプライズを思いつきました。

それは、同じ部署の社員みんなで、
日頃の感謝の言葉をメッセージカードに書くということ。

さらに、そのカードを、Oさんが宿泊する旅館の部屋に
フルーツの盛り合わせと一緒に届けるというものでした。

私は、Oさんと何気ない会話の中で
宿泊する旅館を聞き出し連絡先を調べました。

Oさんに見つからないように、
旅館に電話して、次のお願いをしました。


・メッセージカードを送るので受けとってほしいこと。
・部屋にフルーツの盛り合わせを入れてほしいこと。

・プレゼントのタイミングは入室後、ひと段落してから。

最後に、
「私たちの大切な仲間です。
どうかありったけのサービスをしてください」

と念押ししました。

そして、Oさん旅行の日。

16時になり、今頃チェックインした頃かな~
それとも、まだ観光をしているのかな~、
と仕事をしながらも何だかソワソワしていました。

そうこうしているうちに、電話が鳴りました。

私が電話にでるなり第一声が、「う゛~、あじがどー」

嬉しくて泣きながら、声にならない声で
電話をくれたOさんが居ました。

そして、寄せ書きを書いた社員へ電話を回しながら、
一人ひとりへメッセージカードの感謝を述べていました。
Oさんに喜んでもらえた瞬間です。

そして、同僚が私に言いました。
「そこまでやったんだね~」

その言葉を聞いた時、私は思わずガッツポーズ!

なぜなら、私はお客さま満足が出来ているかどうかの判断基準を
お客さまに喜んでもらおうと準備している自分を周囲が見た時に、
「そこまでやるの!」と言ってくれるかどうかだと思っているからです。

お客さま満足はどこまでやればいいのかを聞かれることがありますが、
私は周囲から「そこまでやるの!と言われるまで」とお伝えしています。

会社やお店が提供するマニュル通りのサービスぐらいなら、
お客さまは「嬉しいなあ」で終わります。

確かに、それでもサービスとしては、
「可もなく不可もなく」問題ないと思います。

でも、涙が出るほどのサプライズや、
真心のこもったおもてなし、思いがけないサービス受けた時、
お客さまは感動してくださいます。

お客さまに感動体験を味わっていただくことを通じて、
熱烈なファンになってくれ、大切な友人に私たちのことを
紹介してくれるようになります。

クチコミが増えるので売上が上がるのは、
もちろんですが、そんなことよりお客さまや大切な人が、
喜んでくれるのは純粋に嬉しいことです。

私たちは、そう思えるみずみずしい感性を
いつまでも大切にしたいものですよね。
合言葉は「そこまでやるか!」と言われることですよ!

最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。