老子の格言に新解釈

老子の格言に新解釈

中国、春秋戦国時代の楚の思想家に老子がいます。

その老子が残した有名な格言に
「授人以魚、不如授人以漁」があります。

10年以上前から釣りが
趣味の私としては大好きな格言のひとつです。

これを訳すと以下のようになります。

【和訳】
人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、
人に釣りを教えれば一生食べていける。

【英訳】
Give a man a fish and you feed him for a day.
Teach a man to fish and you feed him for a lifetime.

有名な格言なのでご存知の方も多いと思います。

この格言をビジネスに置き換えて、
魚(お金・顧客)を与えるのでは無く、
釣り方(テクニック)を教えるという解釈で、
ビジネス書や経営コンサルタントさんのホームページに
載っていることがあります。

でも、ほとんどの方は、
この格言をそのまま引用しているだけのようです。
私はこの格言にさらに新しい価値観を加えています。

それは、釣り方のテクニックは、
もちろん大事ですが、
それより前に必ず教えなければならないこと。

それが、
【釣り人としての心構え】です。

上手い釣り方を知っていれば、
他人よりたくさん魚が釣れるかもしれません。

でも、本当にそれだけで良いのでしょうか?

たくさん魚を釣って釣り名人と呼ばれる方が、
以下のようなことをしていたらどう思いますか?

・釣り糸など自分のゴミを水辺に捨てる。
・この魚は小さいからと言って魚を岸に投げ捨てる。
・トイレが近くに無いからと言って、水辺で用を足す。

こんなマナーが悪かったら、
いくら釣り名人と呼ばれていても尊敬できませんよね。

釣りに置き換えると分かるのに、
ビジネスで同じようなことをしてる会社ってありませんか?

確かに、テクニックを使えば、たくさんのお客様が
集まってきて稼ぐことができるのかもしれません。

しかし、最低限の礼儀が守れない会社は
必ず短期的な成功で終わります。

ビジネスパーソンとして、
ノウハウやテクニックを習得するのはいいと思います。

でも、絆や信頼関係を作ること、良心で判断することを
心の軸にしていないとビジネスは迷走を始めます。

私たちは、
【ビジネスパーソンとしての心構え】
を忘れないようにしたいものですよね。

先ほどのマナー違反な釣り人は、
以下のようにしなければいけません。

・ゴミは自分で持ち帰る。
・持って帰らない魚は水にかえしてあげる。
・トイレは釣りの前に済ませて水分は控える。

ごく当たり前のことです。

この当たり前のことを私たちのビジネスの現場に
置き換えて少しでも実行していくこと。

地味だけど、目立たないけど、誠実な商売。
それが一番美しいことだと思います。

技術より心構えが大事なんて、
老子は当然分かっていたと思いますけどね。

最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。

今週も明るく笑顔でいきましょう!